控除とは、本来支払うはずの税金よりも引いてもらえる仕組みのこと。
控除には「所得控除」と「税額控除」の2パターンがあります。
- 所得控除:税金を計算するときに利用する「所得」を少なく出来る
- 税額控除:支払うはずの税金を少なく出来る
この記事では、所得控除と税額控除の違いや、控除の種類についてわかりやすく解説します。
所得控除
所得控除とは、収入から定められた金額を引いてもらえる仕組みのこと。
税金は収入から控除額を引いた金額(課税所得金額)をもとに計算するので、控除をたくさん受けられれば受けられるほど、税金を安くすることができます。
私たちが主にに利用できる所得控除は下記の通り。
所得控除の種類 | 対象者 |
---|---|
基礎控除 | 誰でも受けられる |
給与所得控除 | お給料をもらっている人 |
社会保険料控除 | 社会保険料を払っている人 (社会保険料全額が控除対象) |
配偶者控除 | 控除対象配偶者がいる人 (給与収入なら年間103万円以下) |
配偶者特別控除 | 控除対象配偶者がいる人 (給与収入なら年間201万円以下) |
扶養控除 | 控除対象になる家族がいる人 (16歳以上、給与収入103万円以下) |
障害者控除 | 納税者または控除対象の配偶者・扶養親族が障害者に該当する人 |
寡婦・寡夫控除 | 配偶者と離別・死別した人 |
生命保険料控除 | 生命保険料の支払いがある人 (最高12万円) |
地震保険料控除 | 地震保険料の支払いがある人 (最高5万円) |
医療費控除 | 医療費の支払いが一定額以上になった人 (かかった医療費−保険金−10万円=医療費控除額) |
雑損控除 | 災害や盗難などで被害を受けた人 |
寄附金控除 | 寄附をした人 (ふるさと納税は寄附金控除に該当) |
※所得控除は上記以外のものもあります。
税金は課税所得金額に税率をかけて計算する
所得控除後の「課税所得金額」に税率をかけて、それぞれの税金を計算します。
住民税の税率は10%(自治体により差あり)。
所得税は所得金額により税率が異なります。
課税所得金額に税率をかけた額からさらに控除額を引きます
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
- 給与所得控除:154万円
- 基礎控除:38万円(33万)
- 社会保険料控除:60万円
- 配偶者控除:38万円(33万)
- 控除合計額:290万円(280万)
収入500万円-控除290万円(280万)=課税所得金額210万円(220万)
※()は住民税の場合の金額
- 所得税:210万円×10%-97,500円=112,500円
- 住民税:220万円×10%=22万円
(厳密な金額は異なります。)
税額控除
税額控除とは、上記の「課税所得金額」から計算された所得税・住民税をさらに減らしてもらえる仕組みのこと。
税額控除は、税金の金額がそのまま安くなります。
私たちが主に利用できる税額控除は、下記の通り。
税額控除の種類 | 対象者 |
---|---|
配当控除 | 配当金の受け取りがある人 |
住宅借入金等特別控除 (住宅ローン控除) | 対象の住宅を購入のために住宅ローンを組んでいる人 |
※税額控除は上記以外のものもあります。
課税所得金額から計算された税額から控除される
税額控除の場合、所得控除後の「課税所得金額」をもとに計算された税額から、さらに税額控除の分を引きます。
住宅ローンの残高が1000万円なら、所得税から10万円控除されます。
所得税112,500円-住宅ローン控除10万円=12,500円
年末調整をしている方なら、払いすぎた10万円が戻ってきます。
まとめ|どんな控除があるかきちんと知って節税しよう
控除とは税金が安くなる仕組みのこと。
自分できちんと知っておかないと、「利用していれば税金を安くできたのに…」ということになりかねません。
制度を知ることは、自分のお金を守ることにもつながるので、積極的に勉強してみましょう😊
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